演技、美術、衣装、セットはどれも見ごたえがあり、特に衣装は本当に素敵でした。生地や柄の美しさはもちろん、男性陣の裾を引きずるような衣装デザインも好みど真ん中。まさに眼福でした。
一方で、脚本は少し物足りなかったです。序盤は勢いがあって面白かったのですが、後半はどうしてもグダグダした印象が否めません。何より皇帝の心情が最後までよくわからなかった。なぜあそこまで七皇子を贔屓するのか、気持ちがコロコロ変わるので感情移入できませんでした。さらに、数々の悪事に加担している愚かな公主にだけ異常に甘いのも納得しづらかったです。
ラストについては、二人が結ばれない結末は受け入れられるのですが、知微まで死なせる必要はあったのでしょうか。知微を失った寧弈は、「皇帝」という名の檻に閉じ込められ、孤独を抱えながら生き続けることになります。結局、誰一人幸せになれない結末はあまりにも痛々しく感じました。
辛子硯も気の毒でした。三皇子の一件以来、ずっと寧弈を支え続けてきた人物なのに、寧弈からはどこか二の次のような扱いを受けている印象があります。「知己」と呼ぶほど心を通わせているようには見えず、その関係性には少し違和感がありました。
赫連錚も、物語を進めるためにあっさり退場させられたように感じます。あれで金獅国は本当に大丈夫なのかと、思わずツッコミたくなる場面も多かったです。
それでも、作品全体としてはスケールが大きく、映像の見ごたえは十分。総合的にはとても楽しめるドラマでした。
個人的には、寧弈が髪を下ろした姿が大好きです。さらにベルトを外したラフな姿は可愛らしくて、思わず見入ってしまいました。
それと、最初の皇太子役が他作品では皇帝役を演じることの多い俳優さんだったので、皇子たちの年齢感が少しバグりました(笑)。二皇子は寧弈より若く見える一方で、七皇子は逆に年上に見えてしまい、そのあたりは最後まで違和感がありました。
余談ですが、みんな大好き顧南衣は本当に良かったです。白敬亭の出演作は以前にも観たことがありますが、個人的には南衣役が一番好きかもしれません。若さゆえのまぶしさが、この役にぴったりハマっていたように思います。